2007年9月18日 23:55
秋の空とたまねぎの憂鬱
ふと思い出したので書きます。
高校3年生の秋のことでした。
僕は、大阪は北摂地区のとある高校に通っていて、最後の方は学校なんてほとんど行かず
日がな一日古本屋か図書館で時間を潰すという非常にネクラな青春時代を送っていました。
ところがそんなある日のこと、遠足という一大イベントが巡ってきたのです。
行き先は北摂の雄、エキスポランドです。
最近事故を起こして更に知名度を上げたあのエキスポランドです。
元々学校は嫌いでした。
当然僕は行く気もなく、前日の夜、はたまた当日の朝(この辺の記憶は曖昧)まで母親と
「遠足なんて行きたくないわームキー!!」
「最後なんだから楽しんできなさいムキー!!」
という押し問答を集合時間ギリギリまで繰り広げた結果、不本意ながらも行くことになり
何せ遅刻ギリギリなわけなので母親の車で現地まで送ってもらうことになったのでした。
ギリギリに出発したので当然お弁当など用意しているわけもなく
園内で昼食を済まそうと思ったら味の保障はない上にべらぼうに高いというので
途中コンビニで下ろしてもらっておにぎりを二つとお茶を買ったわけであります。
とここでトラップが仕掛けられていました。
僕が座っていた車の後部座席には、何故か前日に母親が近所のスーパーで買った夕飯の食材が
ビニール袋に入ったまま置かれており、これまた何故か僕は全くその存在に気付いていませんでした。
コンビニから戻った僕はおにぎりとお茶の入ったビニール袋を後部座席に放り込み
自分もその隣に乗り込むと、相も変わらず憮然とした面持ちのままエキスポランドへ向かったわけであります。
高校生という多感な年頃ですので割と人目を気にします。
遠足の日にお母ちゃんに車で現地まで送ってもらったなんてクラスメイトにばれたら恥ずかしい。
そういう無駄な自己防衛本能が働いた僕は、時間に余裕がないのにもかかわらず
集合場所の少し手前ら辺で母親に
「もうこの辺でいいから」
と言って車を止めてもらい、昼食のおにぎりの入ったビニール袋をひっつかんで
ダッシュでそこから集合場所まで駆けつけたのであります。
昼食のおにぎりの入っているであろうビニール袋を片手に...
遠足で、しかも遊園地ということもあって高校三年生ともあろうに周りは浮かれポンチ共でいっぱいでした。
僕はあまり友達がいなかったので隅っこの方で小さくなりながら点呼の時間をやり過ごしました。
後はグループ行動で、銘々勝手気ままに園内を周ります。
一人が大好きだった僕も、こういう時ばかりはさすがに一人で行動するわけにもいかないので
適当なグループに適当に混じって適当にわいわい楽しんでいました。
遠足も意外と悪くないなと少し思っていました。
わいわいやっていると当然お腹が減ります。
お腹が減るとご飯にしようという流れになります。
弁当食おうぜということになり銘々が持ち寄った弁当を開きました。
僕は朝コンビニで買ったおにぎりを食べようとビニール袋を広げました。
たまねぎが入っていました。
おにぎりの姿はありませんでした。
おにぎり二つの代わりにたまねぎが丸々二つ、袋の中でごろんとでっかく自己主張をしていました。
一瞬頭の中が真っ白になった後、車に乗り込んでから現地に着くまでの流れがフラッシュバックしました。
僕は気付いたのです。
コンビニで買い物を済ませて車の後部座席におにぎりの袋を置いた時に
その隣に全く同じような袋が置かれていたことを。
間違いなく母がカレーを作るために買ってそのまま車内に置き去りにされていた
ためねぎの入ったビニール袋でした。
この瞬間からしばらくの間、僕のあだ名は「たまねぎ」になりました。
この出来事があって、僕は更に学校が嫌いになり二学期の後半から受験が終わるまで
ほとんど学校に行かなくなりました。
終わり。
key ひらりん
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